はじめに

このたびはベストファイヤー焼却炉をご購入いただき、誠にありがとうございます。
焼却炉を安心してご使用いただくために、取扱説明書を確認して注意事項を守って ご使用いただくようお願い申し上げます。
お読みになった後は、いつでもご覧になれるところに保管して下さい。

本取扱説明書では、安全注意事項のランクを以下の通り区分してあります。

取り扱いを誤った場合に、危険な状態が起こりえて、中程度の障害や軽傷、損害を受ける可能性が想定される場合。

取り扱いを誤った場合に、危険な状態が起こりえて、死亡又は重傷を受ける可能性が想定される場合。

この行為を行った場合に、非常に重大で危険な状態が起こりえて、
緊急性及び切迫性の高い事故や損傷を受ける可能性が想定される場合。

尚、注意に記載した事項でも、状況によっては重大な結果に結びつく可能性があります。

安全にお使いいただくための大切なお願い

  • 慣らし運転のお願い
    ご購入時よりご使用6日間程は、慣らし運転で極度に焼却温度(500°C)を上げない 様にお願いします。
    炉内に使用しているキャスタブル等の耐火材には多少の水分が 残っており、耐火材を損傷する恐れがあります。
  • 焼却時間の目安
    焼却物の投入を1日4時間以内に制限して下さい。
  • 一次燃焼室の保護について
    太い角材等の重い焼却物を内張り耐火レンガにぶつけない様にお入れ下さい
    (耐火レンガ及びキャスタブルを早く損傷させます。
    早く炉内温度を下げるために、炉内に水をかけることはさけて下さい。
  • 安全性について
    燃焼中は本体及び周辺が非常に熱くなっておりますので 小さなお子様等には特に注意して下さい。
    (オプションで保護ネットがございます。)
    焼却炉の点検時に腰をかがめ立ち上がる際には、本体に装備されている。
    制御ボックス・ブロアー等に十分ご注意下さい。
    毎回、ご使用前に本体周囲の可燃物・危険物の有無をご確認下さい。
    毎回、ご使用前に焼却室内の灰出しを行って下さい。
  • フレームアイの点検
    バーナーに取り付けてあるフレームアイ(炎検出装置のレンズ面を)掃除して下さい
    (1か月に一度、必ず掃除して下さい。)
    レンズ面が汚れた状態でのご使用は、故障の原因になります。
  • 電源の管理
    焼却炉使用時は、電源の管理に十分注意してください。
    使用中にコンセントの抜け等で電気の供給が絶たれるますと故障の原因になります ので十分注意して下さい。
  • 燃焼効率について
    焼却物の投入量は、炉内の高さ(1,000mm) の60%に止めて焼却して下さい。
    60%以上の投入量で運転されますと、オーバーワークとなり、バックファイヤー
    及び、扉からの煙の流出、故障の原因になります。
  • バーナーの調整
    バーナーの風量・送油量は出荷時に調整済みですので、そのままお使い下さい。
  • 焼却能力について
    廃プラ等、発熱量の高い物質を焼却する際は、焼却能力を考慮してご使用下さい。
    *焼却能力を超えると煙を完全に処理することができません!
    煙突から黒い煙が出始めたら、煙が出なくなるまで焼却物の投入を控えて下さい。
  • 燃焼効率について
    廃プラ等、発熱量の高い物質を焼却する際は、焼却能力を考慮してご使用下さい。
    *焼却能力を超えると煙を完全に処理することができません!
    煙突から黒い煙が出始めたら、煙が出なくなるまで焼却物の投入を控えて下さい。

参考) 焼却能力= 0.498m3 × 250,000 kcal/m3h
*燃焼室熱負荷は日本産業機械工業会で 250,000kcal を標準としていますが
各地方自治体より異なる場合があります。

廃棄物名発熱量(kcal/kg)
草・木3,000
ベニヤ・合板・化粧板5,000
集成材・ボード4,500
紙類4,000
繊維類(木綿)3,800
繊維類(羊毛)5,300
繊維類(化繊)6,800
合成ゴム8,300
一般雑芥4,200
熱可塑性樹脂(塩化ビニールを除く)10,000
*詳しい焼却能力をお知りになりたい場合は、販売店へお問い合わせ下さい。

本体仕様

・ 各部材料仕様表(仕様は改良のため予告なく変更することがありますので予めご了承下さい。)

外部材質(仕上げ)内部材質(仕上げ)
本体側壁鋼板製(耐熱塗装)耐火レンガ張り(耐火温度1300°C)
本体天井・床鋼板製(耐熱塗装)耐火キャスタブル張り(耐火温度1300°C)
二次燃焼室鋼板製(耐熱塗装)耐火キャスタブル張り(耐火温度1300°C)
三次燃焼室鋼板製(耐熱塗装)耐火キャスタブル張り(耐火温度1300°C)
二重投入口鋼板製(耐熱塗装)耐火キャスタブル張り(耐火温度1300°C)
煙突ステンレス製ステンレス製
外部送風管・送風機カバー・バーナーカバー耐熱塗装仕上げ

主要数値一覧表

全高5040 【mm】
本体W1050×H1379 【mm】
二次・三次燃焼室Φ550×H863 【mm】
煙突Φ220×H3250 【mm】
本体炉内内積0.498 【m3】
火床面積0.498 【 m2】
焼却能力29.29 【kg /h】
総重量1345 【kg】

特徴

投入装置一重扉によるワンバッチ方式。(注1) *オプションの2重扉式投入ボックスの場合、燃焼中の再投入が 可能です。
温度測定装置温度センサ(熱電対)により常に炉内温度を測定します。
助燃装置送風ブロアによる炉内強制送風と排風に加え各燃焼室の 高燃焼効率により消煙します。 加えて、バーナーによる温度制御が可能です。
操作盤作業終了後、あらかじめ設定された温度(100°C)になると、 送風・ブロアーが自動停止します。

注1 ワンバッチ方式とは一重扉にて炉内に6割までゴミを入れて火をつけ、燃焼中に扉を開けることを 想定していないもので、100度以下になり焼却炉が停止した後、ゴミを入れて同じことを繰り 返す。これをワンバッチ焼却といいます。

操作盤の操作手順

《大切なお願い》 (操作上のミスによる故障は全てお客様のご負担となります。)

1の主幹スイッチをONにした後、スタートボタンを押すとバーナー内の送風機が自動で 動きます。
これは燃焼中にスイッチ操作のミスでバーナーの送風がストップしないように 主幹スイッチに連動させています。
主幹スイッチは使用中は絶対に触れないでください。
燃焼中にバーナーの送風を止めますと、炉内の熱が逆流してバーナーが焼ける危険があります。
炉内の温度が100°C以下になりますと電源は自動で切れます。

バーナー着火スイッチのON/OFFは、バーナー内蔵 ブロアーのON/OFFとは関係ありません。

*焼却作業終了時には、バーナーメインスイッチ3だけを切って 下さい。
炉内温度が100°C以下になると、送風機・バーナー等、 電気系統が自動的に停止するように設定してあります。

電源1をONにする。
バーナー着火スイッチのON/OFFは、バーナー内蔵 ブロアーのON/OFFとは関係ありません。
スタートスイッチ4を押す。
バーナーの送風音を確認する。
温度表示6を確認する。
バーナーメインスイッチ3をONにする。
バーナー着火スイッチ5をONにする。
バーナーが着火して10分程度後に焼却物に着火して下さい。
送風スイッチ2をONにする。
焼却物投入終了。
自動停止。

翌日の使用時の操作

  1. スタートスイッチを押す。
  2. バーナーメインスイッチ3をONにする。

1,2の操作で作業を開始できます。
3,4日以上焼却炉を使用しない場合は、電源とその他全てのスイッチをOFFにして下さい。
後日、再度使用する場合は1~8の操作を順次行って下さい。

使用方法

組み立て方法

  1. 組み立て前に、安全のため軍手などを着けて下さい。
  2. 本体・付属品一式が揃っているか確認して下さい。
    *不足品がある場合は、取扱店に連絡して下さい。
  3. 炉本体を平坦に置き、風・地震等で容易に転倒しないようにして下さい。
    また、可燃物より2.5m以上、側方2.0m以上、前後方3.0m以上離して設置して下さい。
  4. 笠に、付属のボルト・ナットで煙突をしっかり固定して下さい。
  5. 笠付きの煙突を倒さないように充分注意しながら、二次・三次燃焼室のフランジに合せて 付属のボルト・ナットで垂直に固定して下さい。
  6. 本体と煙突をしっかり固定して下さい。
  7. 油タンクがある場合は、「油タンクの組み立て」「油タンクの取扱説明書」を参考にしながら 組み立てて下さい。
  8. 操作盤の配線を行って下さい。(専門業者に依頼して下さい。)

本機は高品質耐火キャスタブルを使用し、高温に耐えられるように製造しておりますが、
納品時(または、長期間使用していない時)には、炉内が冷却しておりますので、急激に 高温で使用されますと、内装キャスタブルが損傷(急激な水の蒸発、あるいは熱膨張差 による炉内爆発等)を生じる場合があります。
したがって、1週間~10日間ほど「ならし」焼却をして下さい。

*初期に損傷を受けますと、使用期間が半減する場合もございますので、必ず「ならし」 焼却をして下さい。
電気配線は資格のある電気工事士に依頼し、漏電・短絡の無いように結線して下さい。

焼却物投入方法・点火方法

作業項目作業内容注意事項
1焼却物の
準備
焼却物を投入する際は、安全のため燃え
にくい服装および軍手を着用して下さい。
2焼却物の
投入
安全ロックを外して、投入扉を開け焼却物を
投入して下さい。
炉壁等が熱くなっている場合は、
火傷に注意して下さい。
3点火方法焼却物の上方のなるべく煙突の真下付近に
紙等の燃えやすい焼却物を置き、マッチ等で
点火して下さい。
点火後、扉をしっかり占めて安全ロックを確実
にして下さい
点火時の焼却物によっては、火の
回りが速い場合がありますので、
火傷しないように注意して下さい。
4焼却の
終了
1日の焼却を終える場合は、バーナー
メインスイッチ(図1参照)のみお切り
下さい。炉内温度が100℃になります
と、自動的に全てが停止します。
長期間使用しない場合は、自動
停止後、全ての電源を落として
下さい。

焼却物再投入方法(標準扉では焼却物の再投入はできません!)

*オプションの二重扉仕様でご使用の場合、燃焼中に焼却物の再投入が可能です。

焼却物の 再投入*オプションの二重扉の場合 外扉を開けて焼却物を入れて下さい。 投入後、外扉を閉めます。 右取手(中扉)を下げて 左取手(受け皿)を上げて下さい。燃焼中に扉を開けますと炉内温度 が下がり煙が出ます。 既に焼却中の燃焼物が炉内容積 の60%を超えていると、中扉が 焼却物と干渉し開かなくなる場合 があります。

保守・管理

  • 炉内の清掃及び点検
    灰がたまったら、灰出し扉から灰出し棒でかき出して下さい。
    *ロストル(火格子)の上の灰は、上から灰出し棒でロストルの下に押し込んで灰出し口より 取り出してください。
    *炉の下部にたまった灰は、底板やロストルの腐食の原因になります。
  • フレームアイ(炎検出器)の清掃
    バーナーに取り付けてあるフレームアイを定期的(1か月に度)に清掃して下さい。 フレームアイのレンズ部に煤等が付着すると、炎を検出できず故障の原因になります。
  • 保守と管理
    炉本体・煙突・笠等が、腐食・破損・消耗した場合、そのまま放っておかないで下さい。 火の粉や黒煙が出たり、焼却炉の寿命を著しく低下させます。

・塩ビ等、塩化水素が発生するものを焼却しないで下さい。
*塩化水素が高温のもとで化学反応(高温腐食)し、ロストル・耐火材を傷めます。
ロストルが損傷するとロストルの下部に灰や焼却物がつまるため、燃焼空気がロストルの下に入りにくくなり、空気不足となって黒煙が発生しやすくなります。

掃除・点検は焼却炉本体や中の焼却物・灰がよく冷えてから行って下さい。
火のついた灰や煙の出ている灰は、必ず火の気が無くなってから処分して下さい。
取り出した灰はそのままにしないで、適切な場所に処分して下さい。

風の強い日は灰が目に入ったり近所へ飛散しますので注意して下さい。

故障対策

症状原因対処方法
・モーターが動作しない 
*配線と接続部の確認
1.電力が来ていない。
2.操作盤の異常
3.モーターの異常
4.モーター配線間違い
1.断線や接続部の緩みを確認
   して下さい。
2.説明書に従い再操作して
   下さい。
3.バーナーモーターの異物や
   焼けを確認して下さい。
4.モーターの配線を確認して
   下さい。
・モーターは動作するが、点火しない 
*配線と接続部の確認
1.フレームアイが異常を感知
2.ポンプへの給油圧が不足
3.空気の量が不適正
4.灯油の量が不適正
5.灯油パイプ・ホースの破損
6.ノズルチップの詰まり
7.灯油不足
1.フレームアイを清掃して
   下さい。
2.給油タンクの位置を上げて
   下さい。
3.バーナーのエアーダンパー
   を調整して下さい。
4.ポンプの燃料を調整して
   下さい。
5.灯油パイプ・ホースの折れ、
   緩み等を確認して下さい。
6.ノズルチップを掃除して
   下さい
7.灯油を補充して下さい、
着火音がしない8.ヒューズ等の破損
9.コントロールBOXの異常
10.電極棒の位置が不適切
8.リレー又はヒューズを
   確認して下さい。
9.コントロールBOXのリセット
   ボタンを押すか、説明書に
   従い再操作して下さい。
10.電極棒の位置を修正して
   下さい。
・点火/燃焼直後に火が消える
 
1.フレームアイの汚れ
2.コントロールBOXの異常
3.電極棒の位置が不適切
1.フレームアイの掃除を
   して下さい。
2.コントロールBOXのリセッ
   トボタンを押すか、説明書
   に従い再操作して下さい・」
3.電極棒の位置を調整して
   下さい。
症状原因対処方法
・燃焼が不安定1.ノズルチップの汚れ
2.空気の量が不適正
1.ノズルチップ清掃して下さい。
   
2.バーナーのエアーダンパー及び、
   灯油調節ねじを最適な位置に
   調整して下さい。
・バーナーから黒い煙が出る1.1.エアーダンパーを調整して
   下さい。
  (数値を大きくして下さい)
・バーナーから白い煙が出る1.空気が多い1.エアーダンパーを調整して
   下さい。
  (数値を小さくして下さい)